【第1弾 プロジェクトストーリー】業界の常識をも塗り替える ソリューション提案

食品流通会社『全国農協食品株式会社』は、米や果物などを中心とした農畜産物を販売するECサイト『全農食品オンラインショップ』を運営しています。
さらに一般的な販売に併せ、「頒布会(はんぷかい)」をECで実施。「頒布会」とは、定期購入のように商品が届く配送方法ですが、毎月送られてくる商品が異なり趣味嗜好の要素が強い点が特徴です。
この頒布会をECで実現することが、今回のプロジェクトストーリーでは鍵となっています。

プロジェクトをw2目線で読み解く『プロジェクトストーリー』。
今日からシリーズでお送りしていきます。
初回は、お客様の課題を解決し、業界の常識をも塗り替えたソリューション営業の事例をご紹介します。

Profile

MRK.Div
桜沢 慎哉 Shinya Sakurazawa


2014年6月 マーケティングディビジョン に中途入社。フィールドセールスチームリーダーとして組織の統括も担っている。カスタマイズ型のエンタープライズの提案や受注などを多く経験。全農様のシステム導入時担当セールス。


プロジェクトリーダー
西田晴紀 Haruki Nishida

2018年10月 プロジェクトリーダーとして中途入社。カスタマイズ型のエンタープライズ案件の導入や保守を担当している。現在、全農様からのお問い合わせ対応も行っている。


Episode.1 決め手は「頒布会のEC化」

ー 

全農様は4年ほど前に導入し、商談の機会をいただいたので営業担当として話を聞きに行ったのが最初でした。
しかし、私達が話を聞きに行ったときは、既に委託先のシステム会社をほぼ決めていた状態でした…。
なので、何かプラス要素のご提案ができないかと思い、様々なことをヒアリングしました。

そうでしたよね。
ヒアリングの中で一番のポイントをどこに絞ったんですか?

全農様からは特に「業務効率化」「セキュリティ」に関して要望がありました。
お話を伺っている時、会議室に頒布会の冊子を見つけまして…。社内でのサービスでの位置付けを確認したところ大事にしているとのことだったので、『頒布会をECで実現する』というご提案をしました。
この頒布会のEC化が、プラスの提案になっていたかもしれないですね。

当時、頒布会をオンラインで実施するというのは、なかなか珍しかったのではないですか?

はい。通常の頒布会は「4月にはイチゴ」「5月はメロン」というように毎月商品が固定されていることが多いですが、全農様の頒布会は、商品数も多くお客さんが毎月選択できる形式なので、より自由度が高いのが特徴です。
つまり単純なサイクルにはならないので、機能を実現するのが非常に難しいと言われていました。
w2としても既存のシステムにない機能だったので、社内でもエンジニア含め議論しましたね。

まさにソリューション提案ですね。
確かプレゼンには、山田代表も同席しましたよね。

はい。当時のw2はまだ40人程度の小さな会社だったので、山田代表が会社説明、私が機能説明のご提案を行いました。
そして、緊張のプレゼンが終わり数日後、先方のご担当者様からすごく暗いトーンでご連絡がありました…。

えっ…!?

「あぁ、難しいのかな…」と思ったら、なんと「w2さんに決めました」と!
驚かせようと思ってわざと暗くお話してたそうなんです(笑)本当にびっくりしました(笑)
そして、全農様からご連絡があった日は11月21日。山田代表の誕生日でした。

それは忘れられない受注ですね。

Episode.2 0からの開発

ー プロジェクトのスケジュールはどのような形でしたか?

4ヶ月でローンチしました。
実質は、「1ヶ月要件定義+2ヶ月開発+1ヶ月バグ洗い出し」です。

0からの作りこみですね。
注文データをつくる箇所についてですが、webサイトにどう表示していくのかを開発メンバーは試行錯誤していました。

「お客様の操作を少なく、提供する情報は多く」を目指したいですが、、、なかなか骨が折れますね。

はい。特に難しいところは「出荷のコントロール」と「注文受付」です。
具体的に言うと、「4月は桃、5月はりんご、6月は梨」というように複雑なコントロールができるようシステム化するのですが、w2としてもチャレンジングな開発でした。

Episode.3 

ー 今回のEC化は全農様にとってもw2にとってもチャレンジだったんですね。

そうですね。そもそも食品業界のEC化は難易度が高いです。

経済産業省が2020年7月に発表したデータによると、BtoCにおける食品・飲料酒類業界の市場規模は1兆8,233億円で、EC化率は2.89%です。日本全体のEC化率は6.76%なので、食品業界はEC化が進んでいない業界といえますね。

さらに質の良い生鮮食品を購入する人は年齢層が高い傾向があるので、日常的にECサイトを利用していない方が多いです。
実際数年前まで、紙の注文票にチェックを入れていくのが当たり前でしたしね。

また、配送もさらに改良していけるポイントです。
例えば、ブドウを発送する予定だったが、天候の影響で不作になってしまった時。リンゴに差し替えるにはどうするか?など、出荷のコントロールが難しいです。

課題がある分、今後の成長率が見込める業界ですよね。

そうですね。実際、食品業界は今後さらに伸びていくと思っています。
形は異なりますが、デリバリーの利用率も高くなり、スマホで注文しておいて店舗では受け取るだけ、というサービスを行う店舗も出てきました。
コロナ渦の影響で、このようなサービスを利用するハードルが下がってきています。
出来立てを届けなければならない料理のEC化も進んでいるのをみると、農畜産物は多少猶予があるので、EC化率の高まりは期待できますね。
ただ、猶予がある分、運用などで工夫しお客様の期待以上の成果を出していけるよう努力していきたいです。

ECを通してこだわりの農産物を消費者の手元に届ける。
利便性だけではなく、市場の拡大や新たな価値の提供に繋がっていく可能性を秘めているプロジェクトでした。

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